登録販売者試験の胃薬の成分についてまとめていきます。
まず本題の前に、このブログを作成するために手引きを復習がてら読んでいたら、制酸薬の記載のところで「胃酸の働きを弱めるもの、胃液の分泌を抑えるもの」というように”胃酸”と”胃液”という単語がそれぞれ出てきましたが、胃酸は胃液に含まれる強い酸です。他にも、胃液には胃を保護する”胃粘液”も含まれます。
それぞれが似たような言葉ですが、意味は全く違うので、明確に区別し理解しておかないと試験(とくに引っ掛け問題)で思わぬミスをしてしまいそう・・と、自分への覚書という意味も含めて少し触れときました。
では本題に。胃液の分泌を抑える作用のある成分は次の2つです。
ロートエキス
ロートエキスは抗コリン成分で有名ですね。ロート根を参考にキャラ化しました。自分で描いときながら不気味だな〜(笑)一つ瞳が大きく見開いているのは抗コリン成分の副作用”散瞳”に関連付けてます。
ピレンゼピン塩酸塩
ピレンゼピン→グレートピレニーズ(犬)と無理やりですが語呂合わせ的に名称を覚えてみてはいかがでしょうか(笑)絵が下手ですいません🙇
覚えておきたいこと
- 胃液の分泌は副交感神経系からの刺激によって亢進。これによる過剰な胃液の分泌を抑える作用として、抗コリン成分(アセチルコリンの働きを抑える)のロートエキスとピレンゼピン塩酸塩が配合される。
- 抗コリン成分のため、散瞳による目のかすみや異常な眩まぶしさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難等の副作用がある。
- 排尿困難の人、心臓病又は緑内障の人は、症状が悪化する危険があるため注意。
- ロートエキスは、授乳婦は使用をさける(吸収された成分の一部が母乳中に移行するおそれ)。
- ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用がある。しかし、消化管以外では一般的な抗コリン作用のため、排尿困難、動悸 、目のかすみの副作用を生じることがあるので注意。
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胃腸鎮痛鎮痙薬、乗物酔い防止薬との併用を避ける。
まとめ・覚えるポイント
抗コリン成分に関する副作用についての注意点が多いですね。こちらは、またその内に抗コリン成分のまとめで取り上げたいと思います。
個人的に押さえておきたい点(覚えておきたい点)としては2つ!!
①ロートエキスは、授乳中の人は服用しないこと。
これは頻出ですね。ちなみに、服用前に医師等に相談ということではありません。なぜならば、乳児が頻脈となるおそれがあるという恐ろしい副作用があるため。相談するまでもなく服用するな!ということでしょうか。
②ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用があること。ただし、消化管に限ります!消化管以外には通常の抗コリン作用が及びます。
ピレンゼピン塩酸塩は、手引きでは胃液分泌抑制成分のところでしか記載がないので、ロートエキスに比べるとマイナー感が否めなく印象に入りにくいです・・。しかし、この「消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用(ただし、消化管に限る)のある抗コリン成分」というのはかなり特徴的なので、ピレンゼピン塩酸塩の名称を合わせて覚えましょう!
というわけで以上です。みなさん、ここまでご閲覧いただきありがとうございました!