登録販売者試験で問われる漢方について当サイトではイラストで説明し、カンゾウ含む・含まないもの等の分類別や適応する体力分類別でまとめ記事を作成してきました。おかげさまで多くの人にご活用いただいています。本当に嬉しい限りです、ありがとうございます✨(╹◡╹)✨
*2017/11/23追記
生薬成分一覧も作成しました!
というわけで、今回は新たにキーワード&適応(症状)の分類別でまとめ一覧にしました。
試験で漢方は捨てるなんて言わないで・・捨てる前に一度ご覧ください(>人<;)
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目次
はじめに
漢方の覚え方は、ただただやみくもに手引きやテキストの文字を追う勉強方法ではすごく非効率です。なぜなら、登録販売者試験で問われる漢方は一部のキーワードだけも解ける問題が意外なほどに多いからです。
本当によく出る、頻出(`・ω・´)
*このことは下記ページにも載せてます。
漢方の出題や解き方をまとめました【登録販売者試験対策&覚え方】
また、登録販売者試験は年々難化傾向にありますがそのうちの要因の1つとして、第3章に出題される漢方や生薬(生薬は今後まとめページを作ります!)の問題比率が高くなってきていることも関係します。
ですが、キーワードを覚えるだけで解ける問題がある漢方は、難しいように見えて意外と簡単です。ポイントをおさえてコツさえ覚えたら、第1章ように1つ得点源になり得る可能性もあるんです!
このページでは適応する主な症状ごとに漢方をまとめ、その漢方の下に太文字でキーワードを載せています。
(例)
- 葛根湯(かっこんとう)←漢方名(リンクからはより詳しい説明とイラストが見れます)
感冒の初期、肩こり←キーワード
*キーワードは漢方によって数が異なります。数が少ないもの(1つのもの)は、その漢方にしかない独自キーワード(例:芍薬甘草湯→こむらがえり 等)であることを意味します。つまり、独自キーワード(こむらがえり)があればその漢方(芍薬甘草湯)を簡単に割り出せます。
逆に、キーワードが多いもの漢方は、独自ワードがなく(分かりにくく)、いくつかのキーワードを組み合わせて割り出さないといけません。
(例:五積散→胃腸炎、腰痛、月経痛、更年期障害、感冒)
*キーワードは私が勉強、このサイト作成している中で”これを覚えた方がいい”というものを抜粋してます。
*キーワードやカンゾウ含む・含まない等を問われず、「(例)胃の不調を改善する目的で用いられるか?」のような問題も確率はかなり少ないですが、出題される場合(過去問を見る限り)がありますので、大まかな適応は覚えておいた方がいいでしょう。
かぜの諸症状
- 葛根湯(かっこんとう)
感冒の初期、肩こり - 桂枝湯(けいしとう)
汗が出るもののかぜの初期 - 香蘇散(こうそさん)
胃腸の弱いもののかぜの初期 - 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
かぜの中期から後期の症状、胃腸炎 - 小柴胡湯(しょうさいことう)
舌に白苔、かぜの後期、インターフェロン - 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
うすい水様の痰、鼻水 - 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
痰が切れにくく、咽頭の乾燥感(水様痰の多い人には不向き) - 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
のどのつかえ感 *カンゾウ含まないもので一番有名 - 麻黄湯(まおうとう)
かぜのひきはじめ、発熱、身体のふしぶしが痛く
身体の痛み
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)・桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛 - 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
しゃっくり - 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
こむらがえり - 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
しびれがあるものの関節痛、神経痛 - 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうぎょうとう)
手足の冷え、下肢の冷え、冷え症(3つの”冷え”の文字) - 釣藤散(ちょうとうさん)
慢性頭痛、高血圧の傾向 - 薏苡仁湯(よくいにんとう)
関節や筋肉のはれや痛み - 麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)
いぼ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)
神経症・精神不安・不眠・小児の疳など
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
貧血、不眠症、神経症 - 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
小児夜泣き、夜尿症 - 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
小児夜なき、便秘 - 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身が疲れ - 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
小児虚弱体質 - 抑肝散(よくかんさん)
小児夜なき、小児疳症、歯ぎしり - 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
消化器が弱いもの小児夜なき、小児疳症
咳・痰
- 甘草湯(かんぞうとう)
構成生薬がカンゾウのみ、激しい咳 - 五虎湯(ごことう)
咳が強くでる - 柴朴湯(さいぼくとう)
気分がふさいで、食道部に異物感 - 神秘湯(しんぴとう)
息苦しさ、喘息・気管支炎 - 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
痰が切れにくく、咽頭の乾燥感(水様痰の多い人には不向き) - 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
のどのつかえ感 *カンゾウ含まないもので一番有名 - 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
ときにのどが渇くものの咳
のどの痛み
- 桔梗湯(ききょうとう)
ときに咳がでるものの扁桃炎 - 響声破笛丸(きょうせいはてきがん)
しわがれ声、咽喉不快 - 駆風解毒散(くふうげどくさん)/駆風解毒湯(くふうげどくとう)
扁桃炎、扁桃周囲炎 - 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
熱感と口渇、皮膚炎
胃の不調
- 安中散(あんちゅうさん)
腹部筋肉が弛緩、げっぷ - 人参湯(にんじんとう)
手足などが冷えやすいものの胃腸虚弱 - 平胃散(へいいさん)
胃のもたれ - 六君子湯(りっくんしとう)
食欲がなく、みぞおちがつかえて
腸の不調
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
しぶり腹 - 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
体力に関わらず広く応用され、便秘 - 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
便秘しがちなものの月経不順 - 麻子仁丸(ましにんがん)
便が硬く塊状なものの便秘
動悸、息切れなど
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
水毒の排出
高血圧の随伴症状
- 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
のぼせ気味で顔面紅潮、高血圧、便秘 - 七物降下湯(しちもつこうかとう)
顔色が悪くて疲れやすく、胃腸障害のないものの高血圧
痔
- 乙字湯(おつじとう)
大便が硬く、いぼ痔 、切れ痔 - 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
冷え症、痔出血
排尿異常
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
四肢が冷えやすく尿量減少、重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎 - 猪苓湯(ちょれいとう)
体力に関わらず、排尿痛 - 八味地黄丸(はちみじおうがん)
四肢が冷えやすく、多尿、尿漏れ - 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
下腹部に熱感や痛み、尿の濁り、こしけ (おりもの) - 六味丸(ろくみがん)
手足のほてり、排尿困難
月経・更年期に伴う症状
- 温経湯(うんけいとう)
唇が乾くものの月経不順 - 温清飲(うんせいいん)
皮膚はかさかさ、月経不順 - 加味逍遙散(かみしょうようさん)
精神不安やいらだちなどの精神神経症状、月経不順 - 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
打ち身(打撲症)、月経不順 - 五積散(ごしゃくさん)
胃腸炎、腰痛、月経痛、更年期障害、感冒(様々な症状に) - 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
更年期障害、かぜの後期の症状 - 四物湯(しもつとう)
産後あるいは流産後の疲労回復に適す - 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経時や産後の精神不安 - 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
低血圧、産前 産後あるいは流産による障害
皮膚疾患・口内炎・にきび・二日酔いなど
- 茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
口内炎 - 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
化膿、化膿性皮膚疾患、水虫 - 消風散(しょうふうさん)
痒みが強くて分泌物が多く、熱感のある皮膚炎 - 当帰飲子(とうきいんし)
皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの) - 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
二日酔い - 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
赤鼻(酒さ)、赤ら顔でにきび
鼻の症状
- 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
比較的体力のあるものの鼻づまり(鼻の症状) - 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
皮膚の色が浅黒く、にきび・鼻炎 - 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
うすい水様の痰、鼻水 - 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり
外用剤
- 紫雲膏(しうんこう)
ひび、あかぎれ、しもやけ - 中黄膏(ちゅうおうこう)
腫れ物の初期、打ち身、捻挫
虚弱体質
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
病後・ 術後の衰弱、胃腸の働きが衰え - 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
病後・術後の体力低下、手足の冷え、貧血
肥満症
- 大柴胡湯(だいさいことう)
脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、胃炎、常習便秘、肥満症 - 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水ぶとり - 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
腹部に皮下脂肪が多く *3大漢方すべて含む