登録販売者試験に出る生薬成分の一覧を作成しました。
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目次
はじめに
近年の試験では漢方と並び生薬成分についての問題の比率も増加傾向にあります。その生薬成分の数はかなり多く、しかも似たようなものも多いので覚えることに苦戦されている方も多いと思います。
このページでは、薬効の分類(かぜ薬など*薬効が複数の漢方もある)ごとに生薬成分を固めて一覧にしています。
該当する生薬成分は、試験で問われることの多い①科名・基原(*青文字のものは名称が生薬名と同じもの) ②作用・特徴 を載せています。また、それぞれの生薬成分にはリンクを貼っているので、より詳しく知りたい方はそちらのページもどうぞ(╹◡╹)
かぜ薬
- カンゾウ
マメ科のウラルカンゾウ又はグリキルリザ・グラブラの根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)を基原
グリチルリチン酸を含む、抗炎症→偽アルドステロン症注意
鎮咳去痰薬→気道粘膜からの分泌促進 小児鎮静薬→健胃 - ベラドンナ
ナス科の草本で、その葉や根に、副交感神経系の働きを抑える作用を示すアルカロイドを含む。
抗コリン作用→鼻汁分泌・くしゃみ抑制、抗コリン成分の副作用有 - マオウ
マオウ科のマオウ、 チュウマオウ又はエフェドラ・エクイセチナの地上茎アドレナリン作動成分(交感神経刺激)→鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる。アドレナリンの副作用有、発汗促進、尿量増加(利尿)、依存性 - カッコン(👉解熱鎮痛薬)
- サイコ(👉解熱鎮痛薬)
- ショウマ (👉解熱鎮痛薬)
- ジリュウ(👉解熱鎮痛薬)
- ボウフウ (👉解熱鎮痛薬)
- センキュウ(👉婦人薬)
- コウブシ(👉婦人薬)
- チクセツニンジン(👉毛髪用薬)
- カミツレ(👉歯槽膿漏薬)
- ニンジン(👉滋養強壮保健薬)
解熱鎮痛薬
- カッコン
マメ科のクズの周皮を除いた根
解熱、鎮痙 - サイコ
セリ科のミシマサイコの根
抗炎症、解熱、鎮痛 - シャクヤク
ボタン科のシャクヤクの根
鎮痛鎮痙、鎮静、内臓の痛みに - ショウマ
キンポウゲ科のサラシナショウマ、フブキショウマ、コライショウマ又はオオミツバショウマの根茎
発汗、解熱、解毒、消炎 - ジリュウ
フトミミズ科の Pheretima aspergillum Perrier 又はその近縁動物の内部を除いたもの
熱さまし、感冒時の解熱 - ボウイ
ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓性の茎及び根茎
鎮痛、尿量増加(利尿)、筋肉痛、神経痛、関節痛 - ボウフウ
セリ科のボウフウの根及び根茎
発汗、解熱、鎮痛、鎮痙 - ボタンピ
ボタン科のボタンの根皮
鎮痛鎮痙、鎮静、痔の症緩和 - センキュウ(👉婦人薬)
- コウブシ(👉婦人薬)
- ショウキョウ(👉胃腸薬)
- ケイヒ(👉胃腸薬)
- ゴオウ(👉強心薬)
鎮咳去痰薬
- オウヒ
バラ科のヤマザクラ又はその他近縁植物の、通例、周皮を除いた樹皮
去痰 - オンジ
ヒメハギ科のイトヒメハギの根
去痰、糖尿病の検査値に影響 - キキョウ
キキョウ科のキキョウの根
痰、痰を伴う咳 - キョウニン
バラ科のホンアンズ、アンズ等の種子
延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静 - ゴミシ
マツブサ科のチョウセンゴミシの果実
鎮咳 - シャゼンソウ
オオバコ科のオオバコの花期の全草
去痰、咳 - セキサン
ヒガンバナ科のヒガンバナ鱗茎
去痰 - セネガ
ヒメハギ科のセネガ又はヒロハセネガの根
去痰、糖尿病の検査値に影響 - ナンテンジツ
メギ科のシロミナンテン(シロナンテン)又はナンテンの果実
咳止め - バクモンドウ
ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部
鎮咳、去痰、滋養強壮 - ハンゲ
サトイモ科のカラスビシャクのコルク層を除いた塊茎
中枢性の鎮咳作用
- カンゾウ(👉かぜ薬)
口腔咽喉薬
- ウイキョウ
セリ科のウイキョウの果実
芳香による清涼感、健胃 - ハッカ/ハッカ油
シソ科のハッカの地上部
芳香による清涼感、ハッカ油は冷感刺激 - ミルラ
カンラン科のミルラノキ等の植物の皮部の傷口から流出して凝固した樹脂
収斂、抗菌 - ユーカリ/ユーカリ油
フトモモ科のユーカリノキ又はその近縁植物の葉
芳香による清涼感、ユーカリ油は冷感刺激 - ラタニア
クラメリア科のクラメリア・トリアンドラ及びその同属植物の根
収斂作用により炎症の寛解を促す
うがい薬
アレルギー用薬、鼻炎用内服薬
催眠鎮静薬
- カノコソウ
オミナエシ科のカノコソウの根茎及び根
神経の興奮・緊張緩和 - サンソウニン
クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子
神経の興奮・緊張緩和 - チャボトケイソウ
南米原産のトケイソウ科の植物で、その開花期における茎及び葉
神経の興奮・緊張緩和 - チョウトウコウ
アカネ科のカギカズラ、ウンカリア・シネンシス又はウンカリア・マクロフィラの通例とげを基原
神経の興奮・緊張緩和 - ホップ
ヨーロッパ南部から西アジアを原産とするアサ科のホップ Humulus lupulus L. の成熟した球果状の果穂
神経の興奮・緊張緩和
小児鎮静薬
- ジンコウ
ジンチョウゲ科のジンコウ、その他同属植物の材
鎮静、健胃、強壮 - レイヨウカク
ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)等の角
緊張や興奮を鎮める - カンゾウ(👉かぜ薬)
- チョウジ(👉胃腸薬)
- ユウタン(👉胃腸薬)
- サフラン(👉婦人薬)
- ニンジン(👉滋養強壮保健薬)
強心薬
強心成分
- センソ
シナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたもの
微量で強い強心作用、局所麻酔作用、センソが配合された内服固形製剤は、口中で噛かみ砕くと舌等が麻痺する→噛かまずに服用
1日用量中センソ5mg超の含有する医薬品は劇薬
通常用量でも、悪心(吐きけ)、嘔吐の副作用 - ジャコウ
シカ科のジャコウジカの雄の麝香(ジャコウ)腺分泌物
呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる - ゴオウ
ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石
末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める - ロクジョウ
マンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角
強壮、血行促進等の作用
補助成分
- シンジュ
ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質
鎮静 - リュウノウ
中枢神経系の刺激作用による気つけ - ブシ
キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したもの(生のままでは毒性が高い)
心筋の収縮力を高めて血液循環を改善、利尿、鎮痛 - シャクヤク(👉解熱鎮痛薬)
- レイヨウカク(👉小児鎮静薬)
- ジンコウ(👉小児鎮静薬)
- ユウタン(👉胃腸薬)
- ニンジン(👉滋養強壮保健薬)
- サフラン(👉婦人薬)
胃腸薬
苦味グループ
- オウバク
ミカン科のキハダ又はフェロデンドロン・キネンセの周皮を除いた樹皮
苦味による健胃 止瀉→収斂、抗菌、抗炎症 外用→打ち身、捻挫 - オウレン
キンポウゲ科のオウレン、コプティス・キネンシス、コプティス・デルトイデア又はコプティス・テータの根をほとんど除いた根茎
苦味による健胃 止瀉→収斂、抗菌、抗炎症 婦人薬→胃腸症状に効果 - ゲンチアナ
リンドウ科のゲンチアナの根及び根茎
苦味による健胃 - センブリ
リンドウ科のセンブリの開花期の全草
苦味による健胃、止瀉 - ユウタン
クマ科のヒグマその他近縁動物の胆汁を乾燥したもの
苦味による健胃、消化補助成分(利胆作用) - リュウタン
リンドウ科のトウリンドウ等の根及び根茎
苦味による健胃
香りグループ
- ケイヒ
クスノキ科のシンナモムム・カッシアの樹皮又は周皮
芳香による健胃、発汗し解熱 - コウボク
モクレン科のホオノキ、カラホオ等の樹皮
芳香による健胃 - ショウキョウ
ショウガ科のショウガの根茎
芳香による健胃、発汗を促して解熱を助ける - ソウジュツ
キク科のホソバオケラ等、又はそれらの雑種の根茎
芳香による健胃 - チョウジ
フトモモ科のチョウジの蕾
芳香による健胃、歯槽膿漏薬(外用)には殺菌消毒作用、抗炎症作用を期待してチョウジ油(フトモモ科のチョウジの蕾又は葉を水蒸気蒸留して得た精油) が配合 - チンピ
ミカン科のウンシュウミカンの成熟した果皮
芳香による健胃 - ビャクジュツ
キク科のオケラの根茎(ワビャクジュツ)又はオオバナオケラの根茎(カラビャクジュツ)
芳香による健胃 - ウイキョウ(👉口腔咽喉薬)
- オウゴン(👉痔疾用薬)
その他
- アカメガシワ
トウダイグサ科のアカメガシワの樹皮
胃粘膜保護 - ボレイ
イボタガキ科のカキの貝殻
炭酸カルシウムによる作用で制酸、止瀉 - ロートエキス
ロートコン(ナス科のハシリドコロ又はチョウセンハシリドコロの根茎及び根を基原とする生薬)の抽出物
胃液分泌抑制、鎮痛鎮痙 妊婦は使用しない→母乳中に移行、乳児の頻脈 抗コリン成分の副作用 - カンゾウ(👉かぜ薬)
整腸薬
- アセンヤク
アカネ科のガンビールの葉及び若枝から得た水製乾燥エキス
整腸 - ケツメイシ
マメ科のエビスグサ又はカッシア・トーラの種子
整腸、腹部膨満感に - ゲンノショウコ
フウロソウ科のゲンノショウコの地上部
整腸、腹部膨満感等に
止瀉薬
瀉下薬
- アロエ
ユリ科のケープアロエ等の葉から得た液汁を乾燥したもの
大腸刺激性瀉下成分 - ケンゴシ
ヒルガオ科のアサガオの種子
大腸刺激性瀉下成分 - ジュウヤク
ドクダミ科のドクダミの花期の地上部
大腸刺激性瀉下成分 - センナ
マメ科のチンネベリセンナ又はアレキサンドリアセンナの小葉
大腸刺激性瀉下成分、流産・ 早産を誘発するおそれ、一部が乳汁中に移行、痔に伴う症状の緩和 - ダイオウ
タデ科のショウヨウダイオウ、タングートダイオウ、ダイオウ、チョウセンダイオウ又はそれらの種間雑種の、通例、根茎
大腸刺激性瀉下成分、流産・ 早産を誘発、一部が乳汁中に移行、内用痔疾用薬、婦人薬→胃腸症状に対する効果 - ヒマシ油
ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾したもの
小腸刺激性瀉下成分、腸内容物の急速な排除(主に誤食・誤飲等による中毒など)、防虫剤等(脂溶性物質)を誤飲した場合は使用しない、3歳未満の乳幼児・妊婦・授乳婦に使用しない、ヒマシ油と駆虫薬の併用しない - ヨクイニン(👉滋養強壮保健薬)
胃腸鎮痛鎮痙薬
循環器用薬
- コウカ
キク科のベニバナの管状花
末梢の血行を促して鬱血を除く、冷え症及び血色不良に
痔疾用薬
- オウゴン
シソ科のコガネバナの周皮を除いた根
痔疾用薬(内用)→抗炎症、胃腸薬→芳香による健胃 - カイカ/カイカク
カイカ→マメ科のエンジュの蕾/カイカク→マメ科のエンジュの成熟果実
止血 - シコン
ムラサキ科のムラサキの根
痔疾用薬(外用)→新陳代謝促進、殺菌、抗炎症
口内炎用薬(外用)→組織修復促進、抗菌 - セイヨウトチノミ
トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子
血行促進、 抗炎症 - カンゾウ(👉かぜ薬)
- サイコ(👉解熱鎮痛薬)
- ボタンピ(👉解熱鎮痛薬)
- ハッカ/ハッカ油(👉口腔咽喉薬)
- ロートエキス(👉胃腸薬)
- センナ(👉瀉下薬)
- ダイオウ(👉瀉下薬)
- トウキ(👉婦人薬)
口内炎用薬
泌尿器用薬
- ウワウルシ
ツツジ科のクマコケモモの葉
利尿、抗菌、尿路の殺菌消毒 - カゴソウ
シソ科のウツボグサの花穂
尿量増加(利尿) 残尿感、排尿に際して不快感のあるものに - キササゲ
ノウゼンカズラ科のキササゲ等の果実
尿量増加(利尿) - サンキライ
ユリ科のケナシサルトリイバラの塊茎
尿量増加(利尿)、尿量減少にも - ソウハクヒ
クワ科のマグワの根皮
尿量増加(利尿)、尿量減少にも - ブクリョウ
サルノコシカケ科のマツホドの菌核
利尿、健胃、鎮静 - モクツウ
アケビ科のアケビ又はミツバアケビの蔓性の茎
尿量増加(利尿)
婦人薬
- コウブシ
カヤツリグサ科のハマスゲの根茎
鎮静、鎮痛、月経促進 - サフラン
ヤメ科のサフランの柱頭
鎮静、鎮痛、月経促進、冷え症及び血色不良に - ジオウ
ゴマノハグサ科のアカヤジオウ等の根
血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和 強壮、鎮静、鎮痛 - センキュウ
セリ科のセンキュウの根茎
血色不良や冷えを緩和、強壮、鎮静、鎮痛 - トウキ[婦人薬他]
セリ科のトウキ又はホッカイトウキの根
血色不良や冷えの症状緩和 強壮、鎮静、鎮痛 痔の緩和 - ボタンピ(👉解熱鎮痛薬)
- オウレン(👉胃腸薬)
- ダイオウ(👉瀉下薬)
- ブクリョウ(👉泌尿器用薬)
滋養強壮保健薬
- オウギ
マメ科のキバナオウギ又はナイモウオウギ等の根
強壮 - インヨウカク
メギ科のエピメディウム・ブレビコルヌム、ホザキイカリソウ、キバナイカリソウ、イカリソウ、トキワイカリソウ等の地上部 - サンシュユ
ミズキ科のサンシュユの偽果の果肉
強壮 - サンヤク
ヤマノイモ科のヤマノイモ又はナガイモの周皮を除いた根茎(担根体)
強壮 - タイソウ
クロウメモドキ科のナツメの果実
強壮 - ニンジン
ウコギ科のオタネニンジンの細根を除いた根
別名を高麗人参、朝鮮人参、ストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高める、滋養強壮 - ハンピ
内臓を取り除いたマムシを基原
強壮、血行促進、強精(性機能の亢進) - ヨクイニン
イネ科のハトムギの種皮を除いた種子
肌荒れやいぼに、ビタミンB2主薬製剤やビタミンB6主薬製剤、瀉下薬等の補助成分 - ゴミシ(👉鎮咳去痰薬)
- ジオウ(👉婦人薬)
- センキュウ(👉婦人薬)
- トウキ(👉婦人薬)
- カシュウ(👉毛髪用薬)
外皮用薬
- アルニカ
キク科のアルニカ
抗炎症、血行促進 - サンシシ
アカネ科のクチナシの果実
抗炎症、血行促進 - トウガラシ
ナス科のトウガラシの果実
温感刺激、血行を促す効果があるカプサイシンを含む。 - モクキンピ
アオイ科のムクゲの幹皮
抗真菌成分→皮膚糸状菌の増殖を抑える - オウバク(👉胃腸薬)
- ハッカ/ハッカ油(👉口腔咽喉薬)
- ユーカリ/ユーカリ油(👉口腔咽喉薬)
- セイヨウトチノミ(👉痔疾用薬)
毛髪用薬
- カシュウ
タデ科のツルドクダミの塊根
毛髪用薬→余分な皮脂を取り除く 滋養強壮保健薬→強壮 - チクセツニンジン
ウコギ科のトチバニンジンの根茎
毛髪用薬→血行促進、抗炎症 かぜ薬→強 - ヒノキチオール
ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分
抗菌、殺菌消毒、血行促進、抗炎症
鼻炎用内服薬
- ケイガイ
シソ科のケイガイの花穂
発汗、解熱、鎮痛、鼻閉(鼻づまり)への効果 - サイシン
ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎
鎮痛、鎮咳、利尿、鼻閉(鼻づまり)への効果 - シンイ
モクレン科のタムシバ、コブシ、ボウシュンカ、マグノリア・スプレンゲリ又はハクモクレン等の蕾。
鎮静、鎮痛