アドレナリン作動成分(作動薬)について、副作用、分類などの共通項をまとめました。種類はそこまで多くはなく、プソイドエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩、マオウについては個々の特徴はありますが、その他の成分は「=アドレナリン作動成分、血管収縮」と大まかなアドレナリン作動成分の知識だけでも解けるでしょう。
まず初めに、頭の中で”名称とアドレナリン作動成分をセット”にできるようになることから始めましょう!
成分のイラストや細かい説明については、各成分名のリンクからご確認ください。
スポンサーリンク
目次
アドレナリン作動成分について
交感神経の働きを強め、アドレナリンと同様の作用をするものがアドレナリン作動成分です。交感神経が優位な状態は、言わば「戦闘状態」ですね。戦っているときに出血しないように”血管を収縮”させたり、激しい戦闘で息も切れてくるので酸素が必要にとなり”気管支を拡大”させたりします。
そういった交感神経の働きを理解すれば、アドレナリン作動成分の作用や副作用は勉強しなくても自然と理解できてきます!
アドレナリン作動成分による注意点
メチルエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸、トリメトキサノール塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩(硝酸塩)、エフェドリン塩酸塩の注意点
(※プソイドエフェドリン塩酸塩・メチルエフェドリン塩酸塩・マオウ以外の成分)
- 心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人は医師等に相談
- 高齢者→心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいため注意
プソイドエフェドリン塩酸塩の注意点
- 中枢神経系に対する作用が強い→不眠、神経過敏
- 自律神経系を介した副作用→めまい、頭痛、排尿困難
- 心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害、前立腺肥大による排尿困難の人は””使用しない””
- 高齢者→心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいため注意
- パーキンソン病の治療のため医療機関でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻害剤が処方されて治療を受けている人が、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用内服薬を使用した場合、体内での代謝が妨げられて、副作用が現れやすくなるおそれ→使用を避ける又は医師等に確認
- 依存性に注意
- 吸収された成分の一部が乳汁中に移行→授乳中の人は医師等に相談
*他のアドレナリン作動成分よりも作用が強いため、心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の人が他の成分では相談することとなっていますが、プソイドエフェドリン塩酸塩では””使用しない””になっています。
また、””前立腺肥大による排尿困難の人””も対象となっています。
その他にも副作用が増えていますね。
メチルエフェドリン塩酸塩の注意点
- 心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人は医師等に相談
- 高齢者→心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいため注意
- 依存性に注意
- 吸収された成分の一部が乳汁中に移行→授乳中の人は医師等に相談
*通常のものの注意点に3.4が追加されています。
マオウの注意点
- 心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害、””前立腺肥大による排尿困難の人””は医師等に相談
- 高齢者→心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいため注意
- 依存性に注意
*””前立腺肥大による排尿困難の人””が対象になっています。
薬の分類別
かぜ薬
(共通する作用)
鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる→鼻づまり緩和
鎮咳去痰薬
(共通する作用)
交感神経系を刺激して気管支を拡張させる→呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮める
内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬)
(共通する作用)
交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげる→鼻づまり緩和
- プソイドエフェドリン塩酸塩
- メチルエフェドリン塩酸塩
メチルエフェドリン塩酸塩のみ血管収縮作用により痒みを鎮める効果有り - フェニレフリン塩酸塩
- マオウ
外用痔疾用薬
(共通する作用)
血管収縮→止血効果
外皮用薬
(作用)
血管収縮→きり傷、擦り傷、掻き傷等の創傷面からの出血を抑える
鼻炎用点鼻薬
(共通する作用・副作用)
- 交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる→鼻づまり緩和
- 過度の使用→鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい
- 鼻炎用点鼻薬は、鼻粘膜の充血を和らげる成分(アドレナリン作動成分)が主体となり、その他成分が配合される。
眼科用薬
(共通する作用・副作用)
- 結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去する
- 緑内障と診断された人は悪化や治療妨げのおそれ→医師等に相談
- 連用、頻回に使用すると、異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招くことがある。