登録販売者試験に出てくる高コレステロール改善薬の成分や暗記のポイントについて、イラストを交えてまとめます。
コレステロールと聞くと、なんとなくメタボリック、血液ドロドロ〜なんてマイナスなイメージが浮かびますよね。でも実は、細胞の構成成分で、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質でもあるetc・・要するに体に必要不可欠な物質なんです。
邪魔者なんかじゃないんだ><ただ、理由があって・・。
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目次
コレステロールの種類
コレステロールは水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在します。そして、コレステロールは2種類あります。
低密度リポタンパク質(LDL)
別名:悪玉コレステロール=Low(低い)→コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質。
L(低、悪)肝臓→抹消!
別名:善玉コレステロール=high(高い)→末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶリポタンパク質。
H(高、善)抹消→肝臓!*私は、善だからHero(ヒーロー)なんて覚え方もしました(笑)
血液中のLDLが多く、HDLが少ないと、コレステロールの運搬が末梢組織側に偏って蓄積し、生活習慣病につながる危険性が高くなります。要するに、2種類のコレステロールのバランスが崩れることがダメなんです。血漿中のリポタンパク質のバランスの乱れは、生活習慣病を生じる前では動悸などの自覚症状を伴わないことも厄介です。
検査値として、次のいずれかである状態を脂質異常症といいます。
①LDLが140mg/dL 以上
②HDLが40mg/dL未満
③中性脂肪が150mg/dL 以上(高脂血症)
高コレステロール改善薬の役割は?
血中コレステロール異常の改善、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として使用されます。
ただ、高コレステロール改善薬を使ったからといって根本的に改善されるわけではなくて、糖質や脂質を多く含む食品の過度の摂取を控える、日常生活に適度な運動を取り入れる等、生活習慣の改善が図られることが重要で、高コレステロール改善薬の使用は、食事療法、運動療法の補助的位置付けです。
ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とするものではありません。
生活習慣の改善を図りつつ、しばらくの間(1~3ヶ月)、高コレステロール改善薬の使用して、それでも改善しないときは医師の受診を勧めます。
では、代表的な配合される成分である高コレステロール改善成分とビタミン成分の各成分を説明します。
高コレステロール改善成分
大豆油不鹸化物(ソイステロール)
特徴
- 腸管におけるコレステロールの吸収を抑える。
大豆(ソイ)でお通じがよくなるって聞きますよね〜だから、”大豆=腸管”という組み合わせはとても暗記しやすいんです(╹◡╹)
リノール酸、ポリエンホスファチジルコリン
特徴
- コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成する。
- 肝臓におけるコレステロールの代謝を促す。
リノール酸は、植物油で有名で聞いたことがあるかと思います。なのでイラストはリノール油。”肝臓代謝&リノール酸”のペアです。
もう一つのポリエンホスファチジルコリンはいまいち覚えにくいネーミングですね><ポリエン・・ポリエもんとかはどうですか?w
パンテチン
特徴
- LDL等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、HDL 産生を高める。
パンテチンは、LDL(悪玉)を異化(物質を分解すること)します。イラストでは、パンテチンが布団叩きで”パンパン、パンパン!”とLDL(悪玉)を叩いてますね。
傍らHDL(善玉)が産生されていってます。
パンテチンはパンパン!とLDL(悪玉)を叩く(異化する)!
ビタミン成分
ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステル)
特徴
- コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用。
- 尿が黄色くなることがあるが、服用を中止するような副作用ではない。
”B2=リボフラビン”
試験では、ビタミンB2で出題されるより【別名】リボフラビンで出題される傾向にあります。
語呂合わせ
「リボ2人(ふたり)《ふたり=フラビ、2=B2》→リボフラビン+B2」
*ビタミンは、のちにじっくり説明をして語呂合わせも考えたいと思います。
B2は脂質の代謝に関与することで有名ですので、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用と関連のあるワードが多いので覚えやすいですね。
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)
特徴
- コレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する→血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、 痺しびれ)の緩和。
- 同様の作用を期待して、ガンマ-オリザノールが配合されている場合もある。
”E=トコフェロール”先ほどと同じく、別名は必ず覚えましょう。
語呂合わせはすごく簡単でした↓
「いとこ(従兄弟)《い=E、とこ=トコフェロール》→E+トコフェロール」
ビタミンEは血流改善や抗酸化作用で有名なので、過酸化脂質の生成抑制、末梢血管における血行を促進など、自然と答えを導きやすい作用ですね。
まとめ・覚えるポイント
①低密度リポタンパク質(LDL)→悪玉コレステロール=Low(低い)→肝臓から末梢組織へ運ぶ。
②高密度リポタンパク質(HDL)→善玉コレステロール=high(高い)→末梢組織から肝臓へと運ぶ。
③(1)LDLが140mg/dL以上 or (2)HDLが40mg/dL未満 or (3)中性脂肪が150mg/dL 以上(高脂血症)のどれかで脂質異常症。
④大豆油不鹸けん化物(ソイステロール) →腸管でのコレステロールの吸収抑制。
⑤リノール酸、ポリエンホスファチジルコリン→肝臓でコレステロールの代謝促進。
⑥パンテチン→LDLの異化排泄を促進、HDL産生を高める。*パンパン!と悪玉を叩く(異化)。
⑦ビタミンB2(リボフラビン) →コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用。
*”リボフラビン”で出題される傾向。B2=リボフラビンと覚える。
語呂合わせ
「リボ2人(ふたり)《ふたり=フラビ、2=B2》→リボフラビン+B2
⑧ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)→過酸化脂質の生成抑制、末梢血管における血行を促進。
*”トコフェロール”で出題される傾向。E=トコフェロールと覚える。
語呂合わせ
「いとこ(従兄弟)《い=E、とこ=トコフェロール》→E+トコフェロール」
長くなりましたがこれで終わりです。みなさん、ここまでご閲覧いただきありがとうございました!