登録販売者試験に出てくる浣腸薬の成分についてまとめます。
浣腸薬は、即効性のあり便秘の排便を促す医薬品です。肛門から薬液を注入する注入剤と坐剤タイプのものがあり、それぞれで成分も異なります。
ただ、どちらも共通して一時的な使用に留めること、妊娠している人は使用しないことなどの注意点があります。
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注入剤
成分の説明の前に、注入剤の用法にあたり手引きにて”以下の内容から作成”という記載があったので、その全文を引用します。
【用法に関連した注意】
①薬液の放出部を肛門に差し込み、薬液だまりの部分を絞って、薬液を押し込むように注入する。
②注入するときはゆっくりと押し込み、注入が終わったら放出部をゆっくりと抜き取る。 また、注入する薬液は人肌程度に温めておくと、不快感を生じることが少ない。
③薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。薬液が漏れ出しそうな場合は肛門を脱脂綿等で押さえておくとよい。
④半量等を使用する用法がある場合、残量を再利用すると感染のおそれがあるので使用後は廃棄する。
注入する薬液は人肌程度に温めておくと不快感が軽減すること、便意が強まるまでしばらく我慢すること などが特に重要。覚えるというほど難しいことではないけど、まったく使ったことがないとイメージが沸かなく、そのせいでかなりもったいない失点をしてしまう可能性があるので読んで理解しておくことをオススメします。
グリセリン(一部のみソルビトールも該当)

特徴
- 浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、 排便を促す作用。
※ソルビトールにも該当 - グリセリンは排便時に血圧低下のおそれ(立ちくらみ)→高齢者、心臓病の人は医師等に相談。
- 肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血していると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)、腎不全を起こすおそれ→痔出血がある人は医師等に相談。
グリセリンとソルビトールの2種類があり、直腸粘膜を刺激の基本作用(上記1)はどちらも共通するようで、”副作用(上記2)や注意点(上記3)はグリセリンのみが該当”するんですね。
坐剤
注入剤と同様に、坐剤にもその用法にあたり、手引きにて”以下の内容から作成”という記載があるので、その全文を引用します。
【用法に関連した注意】
①柔らかい場合には、しばらく冷やした後に使用する。また、硬すぎる場合には、柔らかくなった後に使用する。無理に挿入すると直腸粘膜を傷つけるおそれがある。
②坐剤を挿入した後すぐに排便を試みると、坐剤が排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。
お尻に詰め込むタイプの薬ですね。
炭酸水素ナトリウム

特徴
- 直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用。
- 炭酸水素ナトリウムを主薬とする坐剤では、まれに重篤な副作用としてショックを生じることがある。
ビサコジル

特徴
- 特に結腸や直腸の粘膜を刺激する。
腸の薬の成分まとめ・覚え方⑥瀉下成分(大腸刺激性)で詳しく解説しています。手引きの文章も”ビサコジルは坐剤としても使用される” ことくらいしか書いていないので、その程度だけ覚えておくだけでいいのかもしれません。
キャラクターは右が炭酸水素ナトリウム→塩くん、左が大腸刺激性瀉下成分でおなじみのビサコ汁です。お尻に垂直ジャンプの坐剤くんと合わせ覚えて、試験で問われたときはこのイラストを思い出してください(^_^;)
まとめ・覚えるポイント
①グリセリン、ソルビトールは注入剤(浣腸薬)の成分で、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激する作用。
※ソルビトールはこの作用のみ!
②グリセリンは排便時に血圧低下のおそれ(立ちくらみ)→高齢者、心臓病の人は医師等に相談。
③肛門に傷口があるとグリセリンが血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)、腎不全を起こすおそれ→痔出血がある人は医師等に相談。
④炭酸水素ナトリウム、ビサコジルは坐剤の成分。
炭酸水素ナトリウム→直腸内で徐々に分解して生じた炭酸ガスが直腸を刺激(まれに重篤な副作用としてショック)
*”炭酸”なので”炭酸ガス”
というわけで以上です。みなさん、ここまでご閲覧いただきありがとうございました!